バーカ、お前が好きだよ...。
風太の気持ち
麗子が怪我をしてから、ある日のこと。
麗子は蓮の連絡先が書いたメモを探していた。

「あれ?蓮くんの番号が書いてあるメモどこ行っちゃったんだろう...」
あっ、保健室の枕の下に入れたんだった。きっと、風太が持ってるな違いない。あいつそういうのは見つけるの上手いからな。
風太を疑っていた。

部活帰りの風太を外で待つ麗子。絶対取り返してやる。そう思っていた。

「風太!私の大事なメモ知らない?」
「は?メモってもしかしてこれのことか?」
ずぼんのポケットから、出す。
「そう!それ、やっぱり風太が持ってたのね」

「そんなに大事なのかよ?」
「そう、だから返して!」

返してくれない風太の手から紙を奪い取る。
「これで終わりと思うなよ」
麗子は無視して家の中へ入ろうとする。

腕を掴まれてキスされた。
「おい、忘れもんだよ。バーカ」
「...... おやすみ」
「じゃあな」

麗子は、夕食後蓮に電話をかける。
「もしもし、蓮くん?」
「えっ、麗子ちゃん!かけてくれて嬉しかった。それより、怪我はどう?」
「すっかり良くなって、月曜日から部活出ます」

「そっか、良かった。これで一安心だ」
「蓮くん?」
「ん?」
「明日用事ありますか?」
「いや」

「この間のお礼がしたいので、私につきあってもらえますか?」
「ああ、麗子ちゃんとならどこでもOKだよ」
「ほんと?じゃ、明日10時A駅の改札口で待ち合わせでどうですか?」
「分かった」

「じゃ、明日」
「待って、麗子ちゃん!」
チュ。携帯にキスした。

「おやすみのキスだよ」
チュ。麗子も返す。

麗子は思った。司くんも蓮くんも積極的、私のどこがいいんだろう?と考えていた。

考え事をしていると、部屋の窓を突く音がする。どうやら、風太が長い棒で突いていたみたいで。

「風太、なにやってんの!」
「お前のこと、全部好きだから。バーカ」
それだけ言って窓を閉めてしまう。

「私だって、風太のこと好きなんだからバカ」

今度は、携帯が鳴る。画面には風太の名前が。
「なに?」
「俺の部屋の窓見ろよ!」
「えっ?」

紙を広げて麗子を見ている。
あいしてる♡ と書かれていた。
「見えたかよ?」
「見えたけど、なに急に?」
「明日あいつと楽しんで来いよ、お土産よろしくな」

「うん、風太は家でたまを抱きしめてれば?私と思って」
風太の家には三毛猫がいる。

「悔しいけどそうするよ」
1分後風太の部屋の電気が消えた。

「私だって、風太のこと愛してるもん。バーカ」
麗子は幸せを感じて眠りについた。
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