オヒメサマなんて向いてない‼︎


異様な程の沈黙の中、黒髪の、多分花宮の制服を着た男がそう呟いたのが耳に入る。


見たことあるって…。


そりゃあ、今まで何度かそっちと合同で行事をしていたんだから。
見たことがあるのは当たり前、何だけど。



『……それはどうも。

それより』



そんなことはどうでも良くて。



『……一体誰の敷地でこんな事をしている?


喧嘩なら、他所でやれ。
この場にまで面倒事を持ち込むな』



少し声のトーンを落として、目の前の男達にそう言い捨てる。

…1つ、付け加えるとすれば。
こいつらが喧嘩をして問題を起こしてくれれば、合併の話がなくなるかもしれない。

その面で言えば賛成なんだけど。



……私の管轄内で、好き勝手やられるのは気にくわない。




『女。お前、誰だよ』


他校の男達が、花宮の奴らを通り過ぎて私の周りを囲んだ。



……うわ、男に囲まれるとか最悪。



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