オヒメサマなんて向いてない‼︎
そんな私の言葉に、眉間にしわを寄せた黒髪の男。
…何か、不満があるらしい。
私の方が不満だらけの自信があるけど。
『お前、何者だよ』
少しの沈黙の後、聞こえて来た黒髪の言葉に、今度はこっちが眉間にしわを寄せる。
…礼儀のない男。
自己紹介したんだから、そっちだってするのが常識でしょ。
『昴。初対面の方相手にそんなふうな言葉遣いはいけません』
『麗しきレディーじゃないか、昴』
『僕、この子気に入ったー!』
黒髪の男…は、多分昴と言うらしい。
他の3人は、当の本人が反論する暇もないくらいのスピードでそう続けた。
『……どうでも良いけど。
美南の紅茶が冷めるのは嫌だから、早く着いてきて』
こんなクズ見たいなハエみたいにうるさい奴らに構って、美南の紅茶が冷めるなんてことあってはならない。
……自分を呪うね。
こんな時じゃないと入れてくれない美南は、物凄く入れ方がうまい。
萌との違いが分からないけど、とりあえず美味しい。