オヒメサマなんて向いてない‼︎
エレベーターに乗り、さっき歩いた道のりを進んでいく。
男共は、何が珍しいのか周りをキョロキョロと見渡していた。
『……美南、萌。今戻った』
そう言いながら生徒会室のドアを開けたと同時に、部屋中に包まれた紅茶とお菓子の匂いに肩の力が抜けた。
やっぱり、美南の紅茶と萌の選ぶお菓子は抜群にいい匂い。
『お菓子がたくさん…‼︎』
驚いたように声を上げた…少し小さめの可愛い男の子を見て、少しだけ口角を上げる。
『……本当は宜しくなんてしたくないけど。
まぁ、客はもてなすものだから』
私の言葉に、萌と美南が笑ったのが見える。
…どうせ、不器用だとか、言葉足らずだとか何とか思ってるんだろうけど。