オヒメサマなんて向いてない‼︎
『……美南、紅茶』
『入れてあるわよ』
目の前に差し出された湯気の立つ紅茶のカップを持って、深いため息をついた。
安心したって言うか…全身の緊張がほぐれた感じがする。
『……座れば。
美南の入れた紅茶、美味しいし』
いつまでも扉の前で立っていた男4人にそう声をかけると、4人はおずおずとソファーに腰掛けた。
…何なんだ、この異様な光景は。
私の絶対聖域に…男が居る。
理事長に言われたから仕方なく案内して座らせてるけど。
あとでカップもソファーも洗わないと。
で、挨拶だったっけ?
何でそんなことしないといけないのか…とあたう疑問は置いといて。
『……さっきも言ったけど。
私は、花宮女子学園生徒会長の如月類。
萌、美南。お前らも自己紹介』
私の言葉に元気よく返事した萌が、自分で用意したマカロンを齧ってから手を挙げた。