オヒメサマなんて向いてない‼︎
『萌が気にいる事もそうだけど…珍しい事もあるのね』
楽しそうにそう言って笑った美南を軽く睨み、目の前にあったお菓子を口に入れる。
……やっぱり、萌のお菓子と美南の紅茶の相性は最高。
『はいはい。褒めてくれるのは嬉しいけど、他の生徒会の方とも話しなさいよ?
類がうちの代表なのよ』
『……分かった』
美南に呆れた表情で言われたら、いくら嫌でも話しますよ。
私は、美南程怒ったら怖い人なんて知らない。
居ないと思うよ。結構真面目に。
『挨拶は済んだみたいだな』
『流石類ね。おもてなしとしては最高の準備だわ』
何か話そうかと口を開いた瞬間…丁度、同じタイミングで聞こえて来た声に思わず眉がピクリと上がる。
勝手に合併なんて決めて話を進めた理事長カップルごときに…遮られた。
『君が女学園の生徒会長か?』
『……はい。
お初目にかかります。
花宮女学園生徒会長を務めております如月類です』
ニッコリと笑って挨拶して相手の顔を見ると、人当たりの良さそうな笑みを浮かべて私を見ているあたり、外面を信じてくれた様だ。
多分…じゃなくて絶対。
この人が理事長…のはず。
さっき理事長カップルとか言ったけど、実は自信がないんだよね。
興味ないから見ようとも思わなかったし。