オヒメサマなんて向いてない‼︎
『でも、これを機に男嫌いを克服してもらうのも手でしょう?』
ニッコリと…笑みを深めた理事長を見て、思わず眉間にシワが寄った。
そんなの、建前な癖に。
この学園の生徒なら誰もが知っている。
花宮女学園の理事長と、花宮男子学園の理事長が結婚していることくらい。
『理事長は、あちらの理事長と共に仕事をしたいだけでは?』
知ってるけど、気持ちはわからない。
そもそも、そんなちっぽけな理由で合併なんて許せるわけが無い…‼︎
『ええ、そうよ?
でも…良かったわ』
余りにあっさりと肯定した理事長の、最後のセリフに違和感を抱く。
……良かったって…何の事⁉︎
この理事長の事だから、絶対何かしら企んでるはず。
『報告するの遅くして正解だったわね。
さぁ、そろそろ準備しなさい?
花宮男子学園の生徒会が挨拶に来るわ』
理事長のその言葉で。
私の、いや……私達花宮女学園全ての男嫌いの生徒の運命が終わった…と、私は感じた。
あくまでも、私は…だからね。
他の人がどう思ってるかなんて知らないし、そもそも…皆この事は知らないはずだし。