オヒメサマなんて向いてない‼︎
『仕方ないよ、類。
それに…どれだけ嫌でも、今日の挨拶だけは変えられないしね?』
ソファーに置いてあったピンクの少し大きめのぬいぐるみを手にとりながら、萌が諦めたようにそう言う。
『ええ…類?
男共の前で恥をかきたくなかったら、素晴らしいおもてなしをする必要があるわよ?』
それに便乗するかのように、眼鏡を押し上げて私を見ながらそう言った美南の方を見て肩を落とす。
仕方ない…か。
恥なんて書きたく無いし、第1、男共に馬鹿にされるなんて考えただけでも腹がたつ。
『萌、お菓子を用意。種類は任せる。
美南は部屋の中を確認後、おかしな所を直せ。
私はテーブルをセッティングする』
そう言い切り、パチンッと指をならす。
これが私達の中の合図。
花宮の男共が居心地悪くなるくらいのおもてなし、してやろうじゃん。