オヒメサマなんて向いてない‼︎



『類、正門の前に居るよ〜』


正門に取り付けられて居る防犯カメラの映像を見ながら、楽しそうに萌が言った。


……何がそんなに楽しみなのか…萌の思考はよく理解できない。


けど、まぁ…来たなら通すしか無いしね?



『美南、管理局に正門開ける様に連絡』

『既に連絡済みよ』



仕事の出来るウチの会計兼書記に笑みを浮かべ、映像に視線を移す。


物珍しそうに辺りを見渡しながら歩く男の集団4名。


生徒の女の子は既に寮に帰るらさせてあるから問題は起こらないと思うけど。



……逆に、この短時間で問題が起こったらあっち側の神経を疑う。


画面から離れて、椅子に腰をかける。
生徒会長専用の椅子だ。
前生徒会長から譲り受けた…けどまぁ、そんな大層なものじゃない。



『……あー…類⁇ ものすごく言いにくいんだけど』



椅子に座って目を閉じていた私の耳に、少し言葉を濁し気味にそう言った萌の声が入ってくる。


言いにくいこと?


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