秘書と野獣
エピローグ


「おいウサギ、この書類も一緒に持って行け」
「わかりました。…って、だからウサギじゃないって言ってるじゃないですか…」

全く。出会った時からこのセリフを言うのは一体何万回目になるんだろう。

…なんて、本当は嫌いじゃないんだけどね。

「わっ?!!」

くふふと書類で顔を隠しながら密かに笑っていると、突然腰を抱えて引き寄せられた。ボフンとぶつかって止まった場所はその手の持ち主の広い胸の中。
いきなりのことに驚いて顔を上げると、何故か我が上司は不敵な笑みを浮かべてこちらを見下ろしている。

「…社長?」

コテンと首を傾げる私の耳元に、スローモーションのように社長の顔が下りてくる。

そうして____





「 愛してるぜ。華 」







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