秘書と野獣
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迎えた決戦の金曜日。
そういえば若い頃にそんな歌が流行したななんてことを考えながら、朝からウサギの動向から少しも目を離さない。本人は至って平常心でいるつもりらしいが、笑えるほどに全身から緊張が漲っていて、これじゃあ俺じゃなくとも様子がおかしいことに気付いてしまう有様だ。
何故今日なのだと聞かれれば、一言で説明するのは難しい。
手がけている仕事が一つの節目を迎えたこと。週末であること。
…そして今夜会うのが服部社長だということ。
あいつが敢えてそこにこだわったのは定かではないが、俺と同等、あるいはそれ以上にあいつが恩義を感じているであろう服部さんと会ってからこの地を去ることで、あいつなりに一つの区切りをつけるのではないかと思えた。
そして今目の前にいるウサギを見て確信する。
____今夜全ての決着がつくのだと。