秘書と野獣
「はーーーーー…。ほんっと、お前ほど手のかかる奴はいねぇよ」
言いながら宝物を包み込むようにして腕の中に閉じ込める。
そうしてすぐに身を固くしたウサギの誤解を一つ一つ解いていく。
ウサギにとって全てが寝耳に水で、これ以上どう驚いていいのかわからないというほどのリアクションでそれに耳を傾けている。おそらくこれが夢か現実かすらわからなくなっているんだろう。
だがこれは全てがリアルなのだと思い知ってもらわなきゃ困る。
だから俺の全身全霊をかけて、この言葉をお前に届ける。
「 好きなんて言葉じゃ全然足りねぇ。…俺はお前を愛してる。華 」