秘書と野獣


息継ぎもせずにぶちまけたのは長年封印してきた私の本心。
そしてこれから先も永遠に出すはずのなかった心。

それをとうとう彼に聞かせてしまった。逆ギレという最悪な形で。


…もういい。
もういっそのことこのまま爽快なほどに八つ裂きにして欲しい。
あなたへの想いが欠片ほども残らないように、木っ端微塵に粉砕して欲しい。


「………………くっ」


そう思うのに。



「ククッ…はっはははははっ!」



「…………へ?」


何故か最上級のご機嫌モードで大笑いを始めた社長に、泣き喚いていた私の涙も思わず引っ込んでしまった。

ぽかーーーーーん。

音に例えるなら今の私はまさにこれ。


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