秘書と野獣
____
「っ、だ、めぇっ…!」
「だから駄目じゃねぇっつってんだろ。相変わらずお前は真逆のことを言うよな。そんな奴にはお仕置きだ」
「あっ?! やっ、あぁっ…!」
ニヤリと笑うと、言葉にするのも憚られるような格好へと私を追い込む。涙が出るほど恥ずかしくてたまらないのに、社長は楽しくてたまらないと言わんばかりの表情で私を見下ろしている。
「いい眺めだな」
「や…へっ、ヘンタイっ…!」
「おーおー、変態上等だな。それでお前の乱れた姿が見られるんなら喜んで変態にでも何でもなってやるさ。だからお前も早く堕ちてこい。…あの夜みたいにな」
「あっ?! あぁ___…っ!!」
あの日と同じように容赦なく私を翻弄すると、いとも簡単に私の体は快楽の渦へと引き摺り込まれていく。全身に稲妻のような電気が走り、直後真っ逆さまに落ちていくような感覚に襲われた。
___野獣に堕とされていく。
そんな私の様子を恍惚とした表情で見下ろす社長は色っぽくて艶っぽくて。
言葉に表すことができない感情が私の中を埋め尽くしていく。
……欲しい…
この男が欲しくて欲しくて、たまらない…
「しゃ、ちょ…」
「ん? どうした」
僅かですら動かすのもままならない中、必死に震える手を伸ばす。
こちらから届く前にギュッと絡みついてきた大きな手のひらに、泣きたくなるほどの愛が溢れ出した。
私はもうこの想いを隠さなくていいのだと。
「す、き……あなたのことが、すきっ…!」
涙を滲ませながら口にした言葉に、社長が一瞬瞠目してハッと息を吐き出した。
そして、それはそれは嬉しそうな表情へと変化していく。