秘書と野獣
「え…?」
呆然と。何が起こっているか理解できず頭が真っ白になる。
「ぷっ! とぼけた顔までブサイクだな、おい」
「………」
結構酷いことを言われているはずなのに、それすらちっとも頭に入ってこない。
そんな私の体をひょいっと抱えて正面から向き合うような形に変えると、尚も呆然としたままの私の左手を取って…そして慈しむようにそっと口づけを落とした。
「 俺と結婚してくれ 」
そうしてあなたは魔法のような言葉を囁いたのだ。