秘書と野獣



『 ああいう一見野獣系ほど本命には弱いし手が出せないもんなんだって。ましてや長年兄貴分でもあり時に父親みたいな立場でいたんならなおさらのこと。

一度姉貴のことどう思ってるのか俺聞いたことあるんだよ。そしたら可愛い妹みたいなもんでそんな風に見たことはねぇって言ってさ。じゃあ姉貴を紹介して欲しいって言ってる友達に会わせてもいいかって聞いたら、火がついたように怒り狂ってさ。どう見ても嫉妬してるのが見え見えなのに、本人絶対に認めねぇの。

姉貴今まで自分に魅力がないから男と縁がないんだって思ってただろ? ちげーから。あの人、姉貴に見えないところで相当邪魔してるから。

そのくせ全然覚悟決めねーんだもん。いくら世話になった猛さんとはいえ、本気で一発殴ってやろうかと思ったよね 』




曰く、弟の弁はこうで。

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