誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。



(楽side)



「じゃあ、楽しいエチュードの始まりといこうかぁ!」



「そうだね。
これが最後の俺たちの仕事ダナァ!」



「キキキッ、僕は黒鮫がいいなぁ!
いいよね黒!?」



「クククッ、僕は黒豹がいいからそっちは譲るよ白!」



くそうざい喋り方してムカつく。



エチュードに出てくる人形みたいに操ってやるよ。



「サラ、最初から飛ばしていくよぅ!!」



〈はい。私もあやつは嫌いですから。〉



「水弾。」



水を銃弾のようにして放つ。



指1本に1つとして、両人差し指計2本。



ガガガガッ



「キキキッ、甘い甘ーい!!
白はそんなんじゃ死なないよー!!」



キキキキンッキキャンッ!!



鎌を振り回し水弾をはじき返す白。



「チッ、水砲!!」



「キキキッ、黒鮫はぬるくなっちゃったのかな!?」



「なぁんでそんなこと言われなきゃならないのかなぁ!?」










「キキキッ、仲間ごっこしてバカみたい!!
黒鮫は違うでしょ!?
だって、両親を小さい頃自分の手で殺したんだもんね!?
白、尊敬するよ!!」



その言葉に、全身が硬直した。



過去の記憶はフラッシュバックする。



僕の前に倒れる両親。



赤に染まる僕の手。



そして、いつ握ったかも分からないナイフ。



その記憶だけは……いつも夢に見る。



それは忘れることのないようにと、両親が僕にした罰だと思う。



「……だからなぁに?
両親を殺してしまったあの日のことなぁんて、別に何とも思ってないよぅ?
まさかぁー、それで僕のこと脅そうとでも思ったのかなぁ?」



「キキキッ、やっぱり一筋縄じゃいかないよね!
じゃあ力づくでも……死んでもらうよ!!」



「へぇー?
僕ねぇゲームが大好きなんだけどねぇ……一番得意なゲームってシューティングゲームなんだよねぇ?
だからぁ的になってよぅ。」








何とも思ってない。








そんなわけあるか。







だけど……罪はちゃんと償う。








こいつを倒して、みんなで戻ってこれたら。








それはきっと、向こうで黒と戦っている桜悠も同じはず。



end















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