誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。
満月の夜。
光り輝く月を立派な邸宅から見上げる。
「ほッ、本当に守ってくれるんだろうな……ッ!?」
邸宅の主が月を見上げる人物の背に言葉を投げかける。
音もなく振り向いた人物の表情は仮面で隠れていて、今何を思っているのかさえ……。
『……心配するな。
俺が依頼主を護れなかったことなんかない。』
部屋に置いてある置時計の針が7を指した時。
バタンッ!!!
「社長を殺しに来た。覚悟しろ!!」
「う、うわぁっ!!!!」
突然の招かれざる客と、それに震える依頼主。
殺し屋と依頼主の間に立つ護り屋。
『させるか。俺の名は……white castle。(ホワイト キャッスル)
white castleの名の元に、依頼主は死守させてもらう。』
「チッ、目障りなんだよぉぉぉお!!!!」
向かってくる殺し屋。
そして……。
『ビビ、剣。』
護り屋が語りかけたのは足元にいた黒猫。
〈仕方ないわね。〉
他から見れば、猫が鳴いただけ。
だが、護り屋と黒猫の間では成立したらしく。
どんな仕掛けからか、ただの黒猫だと思われていた猫の身体から一振りの剣が生まれた。
「死ねえぇぇぇえ!!!!」
『……フッ。』
今日もまた1つ、決着がついていく。