誰かを護れる、そんな人に私はなりたかった。



「……。」



「さっきの凄かったね。何年生かな?」



「……胸元、花が付いていた。」



「へぇ、1年生か。今年は楽しそうだね。」



さっきの屋上には、二人の男。



無口そうな長身で黒髪の男と、



髪にモスグリーンのメッシュが入っている男。



すれ違いで2人が屋上に入った時、ちょうどフードを被っている男が落ちていくのが見えた。



「今年はしょぼいのばかりで、面白そうなのは楽(ラク)だけかと思っていたけど。」



退屈しなさそうな予感。



「……あぁ。」



顔も隠れていたが、果たして彼は誰だったのだろうか。














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