<BL> お前は俺のものだ。~杉山京介side~
何か、拍子抜けした。
「おぉ、何だ、新しい家族が増えるのか。
良いことじゃねぇか。
やっとのクソ生意気な息子にも嫁?婿?
まぁ、いとおしくてたまらない奴が出来たのか」
「普通、文句言うとかないのかよ」
「はぁ、そんなそこら辺の奴と一緒にするな。
この俺が惚れた女が命がけで産んだ子だぞ、クソ生意気だろうが、可愛いもんだ。
そんな子供が惚れた相手を連れてきたんだ、何を反対することがある。
惚れた相手が誰だろうが、同性だろうがそんな些細なことどうでも良い。
この世で愛している息子が幸せだと胸張ってる姿を見られれば、何も相手には望まないさ」
「うるせぇな、クソ、親父」
親父は、笑っていた。
けど、嬉しさと恥ずかしさで顔を伏せた。
「あと、クソ息子一つ言っておくが――、
本当に好きなのならその愛を突き通せよ」
その言葉に嬉し涙を流している自分がいた。
「あっ、京ちゃん泣いてる」
「うるさいなぁ」
「可愛い」
「可愛くねぇよ」
こんなに愛されていたのに気がつかなかった俺は、大バカ野郎だ。
ただ、一人で拗ねてただけじゃねぇか。
本当に、敵わねぇな、両親には――。