<BL> お前は俺のものだ。~杉山京介side~
それから、二人ともリビングのソファで寝てしまった。
「ぐっすりだな、まぁ、たくさん遊んだしな。
それで、この子等のパパになる人は何でそんな顔してんだ」
「えっ、何いってんだよ、クソ親父」
「すげぇ、不安そうな顔してる。
さっきまで、泣きそうになってたクセに」
ポーカーフェイス保ってたつもりだったけど、やっぱり、顔に出てたのか。
「さっきのことを考えてた。
子供たちは今は良いっていってくれてるけど、もし、もう少し成長して、俺たちのことが理解出来はじめたら――。
同性の親は嫌だとあの子達が思うときが来たら、どうしようってさ。
あの子達だって人権はある」
親父は深いため息をついた。
「それは、違うだろ。
確かに子供は親を選べないが、どう接して欲しいかと考えて関係を作り上げていくことは出来る。
なんでも、話し合いだ。
完璧なものなんてないからこそ、完璧なものを目指すんだ。
それは、どんなことでも当てはまることだろ。
この子達が、同性の親は嫌だと思ったら、というがどんな親であれ、子供を見守りながら信じてやること、愛してやることしか出来ないんだよ。
それに、そんなに引け目を感じなくて良い
堂々と――。
いいだろ、俺はこいつらのお陰で幸せなんだって胸張ってれば良いんだよ。
わりぃことしてるわけじゃねぇんだからな」
「そうだな」
「ほら、お前、この子らの父親になんだから、もっと胸張って、しゃんとしてろ。
じゃあ、俺は孫たちを寝室へ運ぶから、手伝え」
親父の背中を見て、俺はこの人には本当に敵わねぇと思った。
父親って、偉大だな。
俺も、こうなれるだろうか。
いや、なってやっても良いか。