<BL> お前は俺のものだ。~杉山京介side~
先刻
凛が、二週間の出張に出る少し前の話
母親にお見合い写真を渡された。
「久々に家に帰ってこいというのは、この事?」
「あったこともあるけど、とってもいいこなの、絶対に京ちゃんにあうお嫁さんだと思って」
「京ちゃんは止めてよ。
まぁ、とにかく結婚とかお見合いとかしないから」
「え~、じゃあ、好きなこと一人や二人連れてきてくれてもいいでしょ」
一人はまだしも、二人って――。
「ママは、可愛い孫が見たいです!
京ちゃんの子供なら絶対可愛いもん」
「年増がもんとか言うな」
「うわぁ、酷い」
いきなり、頭に手を置かれて、強く掴まれた。
「イテテテ」
「てめぇは誰の女に向かって、年増なんて言ってやがんだ。
この世にこれ以上のいい女はいねぇだろうが――」
「イテテテ、いてぇよ、悪かったて」
「なかなか良い子じゃねぇか。
わかれば良いんだ、わかれば――」
こんの、クソ親父、本気でやりやがった。
「じゃあ、帰るから――」
「えっ、本当にお見合いしないの」
「しないって言ってるだろ」
父は腕を組んだ。
「お前、付き合ってるやつでも居んのか」
思わず、ドキッした。
「やっぱりか」
「えっ、何、私にも会わせてよ。
どんな子、可愛い、綺麗、性格は、何してる人なの」
まだ、言えるはずが――。
「あぁ、とにかく、お見合いはしない。
俺は、帰る」
そういって、家を出た。