無口な彼の愛し方
でも、あたしも同じ。

充が嬉しそうに、楽しそうにバスケをしてる姿が好き。

クールで澄ましてる充が、シュートを決めて、小さく口元を緩ませる姿を知ってる。

その姿が、どうしようもないくらい好きだ。


「あたし、有村くんがシュート決める姿が好き。嬉しそうに、小さく口元を緩める姿も」


自分で言ってて、恥ずかしくなる。

だけど、どうしても伝えたかった。


「あたし、ちゃんと見てる。いつも見てる。有村くんが、好きだから」


充は恥ずかしそうに、下を向く。


「だから、頑張って」


これはみんなと同じ、頑張ってじゃない。

充だから、充にだけ向けた、あたしからのエールだ。


「また、泣かせるかもしれない」

「うん」

「でも、勝つから」


そう言い、充は力強く笑みを零した。

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