無口な彼の愛し方
充が言った通り、充のチームは圧倒的な点差で勝った。

いつも一緒に練習をして居たから、必ず最後にはミニゲームを行っていた。

その時は、いつもどちらが勝ってもおかしくなかった。

充たちのチームが勝つこともあったが、うちのチームが勝つことだってあった。

チームのレベルは、五分五分だった。

なのに、今日の試合は87対46の大差をつけられた。

その大半のシュートは、充が決めていた。

そして、この大会の得点王に充はなった。

試合を終えて、涙するうちの男子バスケ部。

そんな彼らには悪いが、あたしは充の勝利に喜んでしまっていた。


「今日の有村くん、ホント凄かったよね」


帰り道、一緒に帰っていた瑞樹が充のプレーを思い出し言う。

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