無口な彼の愛し方
そんなあたしの手を、充が掴む。

え?

突然のことに、あたしは充に視線を向ける。


「行くから待って」


行くから?


「行くの?」

「嫌なの」

「ううん。ただ意外だったから」


充は、基本騒がしいことが嫌いだ。

友達付き合いは悪くはないと思うが、こういう集まりにあまり参加しない。

強制的な会社の飲み会でも、1番に早々と帰るような人だ。

なのに強制でもない飲み会に、行くのが意外で仕方ない。

不思議に思いながら、あたしは充の準備を待つ。

そして、あたしは充と一緒に家を出た。

飲み会だから電車で行くと思って居たのに、充は駐車場へと向かう。


「車で行くの?」

「楽だし」


でも、飲んだら帰えれないじゃん。

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