無口な彼の愛し方
始まってから、約2時間。

そろそろ、抜け出したいなぁ。

なんて思っているが、タイミングが見つけられない。


「先輩、どんな人が好きなんですか?」


まゆちゃんが、不意にそんなことを聞いて来た。


「どんなって言われても・・・」


あまり、ピンッとこない。


「じゃ、今まで何人と付き合ったことあります?」

「1人」

「え~、意外」


意外かな?


「そうかな?」

「樋口さん、モテるのに」

「モテませんよ。あたし、告白されたのも1人だけですし」


瀬名さんの言葉に、あたしはそんな言葉を返した。


「あぁ、でも先輩って近づきにくいオーラありますもんね。好意があっても、中々近づけないと言うか」


そう、なの?

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