無口な彼の愛し方
「樋口さん。気に掛ける男、違うと思うよ」

「え?」

「ホント、鈍いんだね」


結城くんの言葉の意味が、あたしにはわからない。


「あの、どういう意味ですか?」

「俺、樋口さんの彼氏と結構仲良いんだけど」

「はぁ」


充と結城くんが仲が良いかなんて、あたしからしたらどうでもいいんだけど。

もっと言えば、あたしには関係ない。


「彼氏、今日のこと知ってんの?」


充には、一応言っている。

後輩とご飯食べに行くと、連絡はした。


「知ってますけど?」

「俺や瀬名さんが居ることも?」


それは、充に言っていない。

だって、まゆちゃんと2人でご飯に行くと思っていたし。

まさか、瀬名さんや結城さんが居るなんて思わなかった。

< 41 / 72 >

この作品をシェア

pagetop