無口な彼の愛し方
「ただいま」


充の靴を確認し、あたしは中に入る。

もうお風呂に入った後なのか、充の髪が少し濡れていて、ソファに座りながら寝ていた。

あたしは近くにあったタオルを、充に掛ける。

あたしも、サッサッとお風呂に入ちゃおうかな。

そう思い、お風呂場に向かう。

だけど、その歩みは止まる。

止まると言うよりは、止められた。

だって寝ていたはずの充が、あたしの腕を掴んだから。


「楽しかった?」

「うん。充、ご飯は?食べてないなら、何か作ろうか?」

「いらない」


__グイッ__

充に腕を引かれ、あたしは充の足の上に座る形になる。


「充?」

「クサイ」


そう言いながらも、充は離してくれない。

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