無口な彼の愛し方
「あれ、旦那は?」

「旦那じゃないし。今来るんじゃないかな?」


そう言っていると、充がやって来た。


「おぉ、有村!」


充の友達が、充に声をかける。

それに、充は軽く手を挙げる。


「考えとくとか言ってたから、また不参加だと思ったわ」

「お前、相変わらず煩いな」


口ではそんな事を言っているが、充も満更でもないのだろう。

一緒に笑い、一緒に涙した、昔の仲間はかけがえのない友だ。

離れていても、すぐ昔のように打ち解けられる。


「そういえば、樋口さん。今、彼氏いるんですか?」


みんな良い感じに酔いが回ってた頃、そんなことを聞かれた。


「はい?」

「高校の時のマドンナに、彼氏がいるか?みんな気になるよな?」


マドンナ?

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