無口な彼の愛し方
なんで俺、こんな性格なんだろう。

傷つけたくないのに、俺が今現在進行形で麗香を傷つけている。

麗香の前じゃ、素直になれない。

ごめんと謝ることも、弱い本当の自分を見せることも・・・

事の発端は、後輩と飯に行くと言って、他の男と一緒に居たことだ。

飯くらい、誰と食おうが麗香の自由だ。

彼氏だからと言って、そこまで縛る権利はない。

でも、気に食わなかった。

しかも帰って来た麗香から、男物の香水の匂いがした。

それだけで、俺は気が狂いそうだった。

このままじゃ、麗香に当たってしまうかもしれない。

そう思い、家を出た。

少しでも頭を冷やすために、浩太郎の家に連絡もしないで向かった。

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