無口な彼の愛し方
「でも麗香じゃなきゃ、お前みたいな奴と一緒にいてくれねぇか」


何言いてぇんだよ、コイツは。


「お前、麗香に見放されたら終わりだぞ」

「何がだよ」

「一生独身だ」


別に、結婚願望なんてねぇよ。

でも、麗香を手放す気も更々ない。

仮にアイツが結婚したいって望むなら、結婚だって何だってしてやる。

俺が望むことは、ただ隣に麗香がいてくれることだから。


「何あったか知らねぇけどさ、先伸ばしにして良いことなんてねぇぞ？」

「わかってる」

「なら、これでも飲んで頭冷やしたら、サッサッと麗香のとこに帰れよな」


そう言うと、浩太郎は缶ビールを差し出した。

言われなくても、ちゃんと帰るさ。

そしてぶつけようのないイライラを洗い流すように、ビールを流し込んだ。

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