無口な彼の愛し方
充のために、あたしのためにも・・・

わかってはいたけど、ただ充の傍にいたかった。

無条件で充の傍に居られる「彼女」と言うポジションを手放したくなくて、今まで必死にしがみついていた。

だけど、もう充と一緒にいるのが辛い。

自分ばっかり充が好きで、苦しくなる。

だから、止めなきゃ・・・


「・・・別れよう」


声が震え、今にも消え入りそうな声で口にする。

その言葉に一瞬、ほんの一瞬、充の顔色が変わった気がした。

でも、それはあたしの気のせいだったみたいだ。


「わかった」


たった一言、そう口にすると充は寝室へと居なくなる。

・・・終わった。

終わらせたくなかったのに、こんなにも呆気なく終わってしまった。

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