無口な彼の愛し方
でも、もうすぐ充はアメリカに行くんでしょ?

なら、ちゃんと整理しなきゃイケないでしょ?


「ここで話す話じゃないだろ?家で話そう」


充の言葉に、小さく頷く。

サッサッと車に乗り込む充に戸惑いながらも、後ろの席へと乗り込んだ。

流石に、もう助手席には乗れない。


「で、話って」


家に着くなり、充はネクタイを緩めながら口を開く。


「うん。えっ、と・・・アメリカに、行くんでしょ?」

「あぁ。今日、正式に辞令が出た」

「そっか。良かったね」


うちの会社は、昇格の前に必ず海外勤務が命じられる。

その海外勤務を無事にやり遂げると、役職と一緒にまた日本に戻される。

だから、海外勤務はめでたいことなのだ。

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