無口な彼の愛し方
「高校の時。なんで、あの店に居たかわかる?」

「あの店?」


いきなり高校の時の話をされ、よくわからず聞き返す。


「麗香たちの高校の近くにある、小さなスポーツ店」


あぁ!

初めてちゃんと充と話したのも、あの店だ。


「あの日の部活終わり、麗香があの店に、バッシュ買いに行く。って言ってたから、だから俺も行ったんだよ。お前に近づくきっかけが欲しくて」


何、それ。

そんなの、全然知らなかった。


「お前と同じバッシュにしたのも、お前と共通の話題が欲しかったから」

「そう、だったの?」

「案の定、お前から話しかけて来ただろ?」


ニヤリと意地悪そうな笑みを、充は浮かべる。

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