無口な彼の愛し方
関わることなんて、全くと言っていいほどなかった。

だから好きと言われても、全然わからない。

挨拶をしたことがあっても、会話と言う会話をした記憶があたしにはないから。


「そんなことを思って練習に来てたお前らに、最後の試合で負けたかと思うとやり切れねぇわ」


同じ学校の男子バスケ部で、キャプテンだった友也が飽きれたように言う。


「共学のお前にはわかんねぇよ、男子校の俺らの気持ちなんて」

「「そうだ、そうだ」」


1人の言葉に、充の学校の人たちが同意する。


「で、樋口さんは彼氏いるの?」


まだ、その話生きてたんだ。


「麗香には、結婚間近な旦那様が居るよ〜」


あたしが答えようとしたら、瑞樹がそんな事を言う。

彼氏がいるのは本当だけど、結婚間近じゃないし。

結婚の「け」の字も、あたし達の間にはない。

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