【完】僕達のレンアイ事情
「まぁ、なんかあったら相談してよ」



俺はスマホを指さす。



「神谷くん」


「一応学校ではいつも一緒だしね」


「ありがとう。頼りになる」



やしなが俺に笑顔を見せてくれる。

やっぱりやしなの笑顔はすぐに俺の心を持っていく。



「てかさ、俺」


「ん?」


「ずっとやしなにどこか似てるやつばっか好きになってんだ」


「えー?なにそれー?」



可笑しそうに笑う。



「なんだろうな。どこかでやしなのこと諦めきれてないのかもな」


「えー?」


「いや、ちゃんと諦めてはいるからね?でも潜在意識的なとこでやしなみたいな子を探してるのかもしれない」



たぶん無意識なんだ。
俺がやしなを求めてるのは。
自分でそうしようなんて思ってはいないし。



「ふふ。ありがとう」


「え?」


「最近丈のことで不安になってたから。そうやって自分を想ってくれる人がいるってだけでうれしいよ」



やしなとはそんな話をして別れる。

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