【完】僕達のレンアイ事情
「だから言うだけ言ってきたらどう?」


「お前はそれでいいのかよ」


「OKされないから」



紗奈の微笑みに軽くキスを落とす。



「言うだけか…」


「しかしそんなに一途だとは世の人もびっくりするよね」



俺の腕から抜け出して笑いながら話す。



「はぁ?」


「だって今までの彼女が見たらびっくりじゃない?」


「別に今まではちゃんとしようとも思ってなかったからやしなのこと好きだって思ってなかった。紗奈と付き合ってみてちゃんとしなきゃって思ったからやしなにまだ気持ちがあるって感じただけで…」



言ってみるとほんとに今までの俺が最低だなって思えてくる。
実際に最低ではあるんだけど。



「あたしのことちゃんとしようと思えてるだけであたしは十分だよ」



紗奈がベッドの上の俺に抱きついてくる。



「襲うぞ」


「襲われに来てるから」



ほんとにこういうところが愛おしいとは思う。
ついこの間初体験を俺に捧げたくせに。
女をいちいち見せつけてきやがる。

俺は今日もこいつに溺れるんだ。

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