【完】僕達のレンアイ事情
「それでもちゃんと会わせてくれた丈には感謝してる」


「うん。びっくりした。あの丈が神谷くんにそれでも会えって言うなんて…」


「だろ?でも俺さ、どうしてももう1回言わないと紗奈とちゃんと付き合えないと思ってさ。頼んだんだ」


「そっかぁ。じゃあ神谷くんの真剣さが伝わったんだね」



やしなの言葉にふわっと心が浮上する気がする。



「聞いてくれてありがとう」



俺はやしなに手をさしだす。



「こちらこそ。ずっと思っててくれてありがとね」



やしなも俺の手に自分の手を重ねてくれる。
握手すら始めてだったような俺の片思い。
まぁ、当時は丈のことで悩むやしなを抱きしめたりしたけど。



「ちょっと待っててね」



俺はスマホをポケットから取り出してLINEをする。



「ごめんね。ちょっと嫌かもしれないけどこうするしか来る方向がなくて」


「え?何の話?」



俺の話がわからなくてキョトンとする。


俺がいま連絡をしたのは丈で。
丈の車で一緒に紗奈もきている。

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