【完】僕達のレンアイ事情
「ははっ。待ってるよ」



〝きちゃおうかな〟なんて言う紗奈が可愛くて。
許してしまうんだな。



「大丈夫だよ。みんなあたしに彼氏がいるって知ってるから」



そんな彼氏がいるような女を男子寮に呼ぶのもどうかしてるけどなとか思ってしまう俺は少し心が狭いのだろうか。



「ちょっとそっち行く」



俺は紗奈にそう告げて窓を閉める。


行く前に証を残したくなったから。



「どうしたの?」



ドアから出た俺に不思議そうな顔をする。



「ちょっとね」



そのまま俺の腕の中に紗奈を入れる。
すぽっと収まるサイズの紗奈がかわいい。



「竜二?」


「紗奈、俺もうほんとに紗奈が好きだから」


「分かってるよ。前とは全然竜二が違うもん」



幸せそうに笑う紗奈に胸の奥がぎゅっと掴まれる。


━━チュウッ



首筋に唇を落とす。



「ちょ、竜二!」


「俺がいるっていうマーキングな」



他の男になんか絶対やんない。


< 68 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop