【完】僕達のレンアイ事情
「ふーん…そういう流れなのか」


「なんで篠原さんは何があったかとか教えないんだろう」



途中から話を聞いていたらしいやしなも加わる。



「なんでだろうな。はぁーマジであいつ追いかけるのが好きなのか?」


「まぁそういう奴はいるよな。篠原がどうかはわからないけど」


「釣った魚にエサはやらないって感じのだよね」



俺の言葉に丈とやしながこたえる。



「正直、神谷くんがここまで悩むとは思わなかったよ」



やしなが言えば



「たしかに。お前ほんとに篠原のこと好きになったんだな」



丈もそう言ってくる。



「俺だって自分でびっくりしてるよ」



自分が自分じゃないみたいで腹立つ。



「本気にさせといてこれかよ…」



情けないけど、こんなの初めての経験で。



「ちょ、神谷くん涙」



やしなが俺にティッシュを渡してくる。



「俺、カッコわりぃ」



やしなからもらったティッシュで潤んだ目を拭く。

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