【完】僕達のレンアイ事情
「カッコつけたってどうしょもないだろ。泣きたれば泣けばいいし怒りたければ怒ればいんだよ」



丈の言葉にハッとなる。



「そうか…いいのか」


「お前はお前なりに恋愛したんだろ。胸張っとけよ」


「丈、自分を差し置いてカッコいいこと言ってるね」



やしなのツッコミが途中で入る。



「たしかに、丈に恋愛のアドバイスされるとはな」


「もう中高生の時の俺じゃねぇよ。これでもやしなと悠人を守ろうと必死なんだよ」



丈の視線は優しくやしなに注がれる。



「俺も守ろうとしてたんだけどな」


「その気持ちは大切にとっとけ。篠原かもしれないし他の誰かかもしれないし。必ず大切にすべき人が現れるからさ」



丈の言葉がすんなりと胸の奥に入っていく気がする。


丈はいつからこんなに大人になってたのだろうか。
やっぱり結婚ってすげぇな。
家庭を持つってすごい。



「今は自信ないけど、俺また紗奈に向いてもらうよう頑張るよ」



もう失うものなんてない。
本気になんてならなきゃよかったなんて
もう思わないし言わない。

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