【完】僕達のレンアイ事情
「あ…」



紗奈はまた俺から目を逸らす。



「これのせいか…」


「え?」


「俺が振られたの」



違うやつの子供だから?
や、でもこいつ俺と初めてだったはずなんだけど。



「俺のって可能性はないの?」



こんなバカげた質問までしてしまう。



「…ない」



〝俺じゃない誰かの子供〟ってわけで。
俺と同時に誰かと浮気してたってわけだ。



「そっ…丈これやるわ」



さっき紗奈からもらった券を丈の手に乗せる。



「食わねえのかよ」


「売上に貢献したからいいだろ」


「待て、おまえらちゃんと話したほうがいい」




俺と紗奈の腕を掴む。



「だいたいさ、生まれてもいねぇのになんで神谷の子じゃないって分かんだよ」


「…え」


「浮気でもしてたんだろうけど、それでも神谷の子である可能性だってあるだろ?」



俺の子である可能性…?



俺は紗奈を見る。

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