【完】僕達のレンアイ事情
「ねーねー今日遊ぼうよー。いまフリーなんでしょ?」



なんだっけこいつの名前。



「ねぇー?聞いてる?」



俺の腕にそいつの腕を絡ませてくる。



「あんたに興味ない」



そいつの腕を振りほどいて歩く。



「神谷に抱いて欲しいんだけど。あたし」


「は?」



そいつに嫌悪感しか感じない。
昔の俺ならそのまま近くのホテル直行だったな。



「神谷カッコいいじゃん。お互いフリーならよくない?」


「俺いま、だれともそうなる気ないから」



名前も知らないこいつと寝るとかゾッとする。
そしてそれでも前まではそれができてた自分にもゾッとする。



「つまんないのー」


「つまんなくていい。他当たれ」



ほんとは女とでも寝て、紗奈のことを忘れたらいいのかもしれない。
でも、たとえ誰かと寝たとしても満たされないし紗奈のことを忘れるなんてできない。


完全に不完全燃焼。

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