【完】僕達のレンアイ事情
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「神谷行くぞ」



昼休み。
丈が昨日のフランクフルトの券を見せてくる。


今日は医療館の学祭。



「昨日の今日で会いたくねぇよ」


「あの後、篠原泣いてたぞ」


「は?」



なんで紗奈が泣くんだよ。
泣きたいのはこっちだろ。



「とりあえず行くぞ」



丈が俺を立たせる。



「わかったよ…」



丈は簡単には引き下がらないってわかってるので仕方なく丈についてくる。



「だいたい誰が父親なんだろうな?」


「知るかそんなの。知りたくもねぇし」



その事については忘れたいんだ。
紗奈のことは忘れたくはないけど、父親が誰かとか考えたくもない。



「あの様子だとたぶん篠原はお前のこと好きだぞ」


「なわけねぇだろ。だったらああいう態度にならんよ」



泣いてたのも他の理由があってだろう。
俺は無関係だよ。
俺だって紗奈と関係あったというかモロ関係してたのに蚊帳の外なんだから。

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