【完】僕達のレンアイ事情
「俺はさ、どっちにしろちゃんと報告が欲しかった」


「…神谷」


「俺の子じゃなくてもさ、俺らつきあってたわけじゃん。なんかそれまでなかったことにされてる気分なんだよ」



そんなに長く付き合ってたわけじゃない。
でもさ、紗奈とは小さい頃から一緒だったんだよ。
物心ついたころから一緒にいたはずだったのに。
こんな遠くに紗奈がいるのは初めてだな。



「つーか俺の時もやしなが相談したのは俺じゃなくてお前だったけどな」


「あれはたまたま薬局で会っちゃったから」


「マジであの時は神谷と寝たのかと思って焦ったからな」



やしなが妊娠したとき。
検査薬を買うとこにたまたま俺が遭遇しちまったって話。
1人じゃ怖いからって検査薬の反応出るまで一緒に待ってたって話だ。



「やしなが浮気なんてするわけねーじゃん」


「俺には篠原も浮気なんてするはずないと思うけどね」


「いや、昨日みたろ?現に浮気されてんの」



丈はやたら俺と紗奈を元に戻したがる。
戻りたいけど、もう俺は部外者だから。
なにもすることはできない。

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