【完】僕達のレンアイ事情
「篠原」


丈がフランクフルトを焼いてる紗奈に声をかける。



「あ、丈くーん!来てくれたんだ!」


丈の手から券を受け取る。



「はいどーぞ」



お皿にに乗ったフランクフルトを渡す。



「はやく出せよ」



丈が俺を腕でつつく。



「はい」


「…ありがとう」



丈の時とは違って一切俺の方を見ようとしない。



「どうぞ…」



苦しそうな表情で俺に皿を渡してくる。
なんで、そんな顔してんだよ。



「なぁ、休憩いつ?」



気づいたら紗奈の腕を掴んでた。



「え?」


「休憩ぐらいあんだろ?」


「あるけど…」



困り顔の紗奈。

いくらでも困らせてやるって急に思った。



「俺、やっぱり引かねぇから」


「え?」


「困るならいくらでも困れ。それで俺で頭いっぱいにしとけ」



それだけ言うと紗奈の前から歩き出す。



何言ってんだろ。
でも、もう後に引くつもりもない。

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