【完】僕達のレンアイ事情
「りゅ、竜二…」



俺の背中に大好きなやつの声がかかる。



「ん?」


「もう休憩だから…」



紗奈がエプロンを外す。



「わかった」


「じゃあ俺先行ってんな。授業出なくても俺に任せろ」


「さんきゅ」



医療館は学祭だけど俺らは普通に授業があるから。
でも、授業なんて言ってられない。
いまは紗奈が大事だ。



「よかったの?昼休みもう終わるんじゃない?」


「うん。紗奈との話の方が大事だから」



俺らは外にある階段のドアを開ける。



「ここってこんな階段なんだ」



螺旋状になってる階段があったなんて知らなかった。



「うん。ここでサボったりしてる」


「ふーん」



そういえば専門で過ごしてる紗奈のことなにも知らない。



「なぁ、紗奈」


「ん?」



俺をちゃんと見てくれたのは久しぶりで
なんだか恥ずかしくなってしまう。


どこまでも紗奈でいっぱいだ。

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