二人の距離15cm
ただ眺めてるだけの初恋。
誰にも文句は言われない。
自分にも人を好きなることが出来る、少女漫画の様に可愛くなくても人を愛おしいって思うことができると教えてくれた人。
別にどうなりたいとか嫉妬とかそんなの私には必要なかった。
そんな先輩とまた二人きりになった事があった。
たまたま屋上の方から風が吹き込んでて、ちょっと期待して行ったけど先輩の姿は無かった。
でも無かっただけで、いた。
寝ていた。
その顔はあまりに無防備で、一瞬躊躇った。
「先輩?」
「ん?」
目を開けてこっちを見る先輩にはドキドキさせられた。
今だけは私を見ている。
それだけでもう満足だったし、他に何も望まなかった。