【完】『そろばん隊士』幕末編
◆14◆
次期の将軍が一橋刑部卿に決まった頃、岸島は再編で新しく変わった小荷駄隊の隊長に任ぜられた。
いわゆる軍の輜重部隊にあたり、弾薬や食糧の運搬や確保が任務となる。
「岸島くんを隊長とし、補佐には尾関くんと島田くんをつける」
ちなみに尾関とは尾関雅次郎、島田とは島田魁のことで、尾関は旗奉行として、隊旗の管理者でもある。
「島田くんは怪力であるから、小荷駄隊の力になってもらいたい」
というのが、辞令を交付された際に土方から言われた一言であった。