もし、願いが叶うなら
「あは。あははは!!」


「美波……?」


「二人とも~!しんみりしすぎだよ~!!私は大丈夫だから!ね?また明日からも学校行くから!」


私だけは……私だけは絶対、強くいなきゃ……!!


「で、でも……薬を使っても……1年半……もしくは2年しか生きられないんだよ?!」

みずは私に向かって泣きながら叫んだ。


「みず……!大丈夫!私は大丈夫!2年も一緒にいれる!」


「み……なみ……」


みずは私に抱きついた。


そして。たくさん泣いた。いや、泣いてくれた。



お母さんも泣いてくれた。



「みずもお母さんも……!!私は大丈夫だよ!でもね。一つだけ約束して欲しいの。私が……っ死んだら……言って……いいっ……から……っ」


「美波……」


ないちゃダメ……!絶対!



「約束っていうのはね!私が余命宣告された事は誰にも言わないで」


「でも……」


「お願い……!ゆうちゃんや先生……クラスみんなに……心配かけたくないの……!」

「とくにゆうちゃんは!ゆう……ちゃん……は……っだっ……から……っお願い……言わないで……」


他の子に言ったとしても……ゆうちゃんだけには……最後まで隠し通したい。


そして、私のことなんか忘れて、幸せになって欲しい。

だから、お願い。誰にも言わないでね。お母さん。みず。
< 10 / 19 >

この作品をシェア

pagetop